贄のヨダカ

あらすじ
1200年前、空から降ってきた名もなき神がいた。
肉体は燃え、遺骨と心臓だけが残った。
心臓から悪しき存在「妖魔王」が生まれる。
妖魔王がこの世に災いをもたらすと考えた当時の術師たちは、遺骨を使って様々な「神獣」を作り上げた。
神獣たちの力を借り、一人の巫女を封じる要石にして、妖魔王を現実世界の裏側にある「異界」に追放した。
その後、神獣は魂となって人間や動物、剣などの物の中に宿り、永遠を生きたという。

時は流れ、異界は要石になった巫女の子孫である女王と、その末裔が暮らす世界になっていた。
しかし、消えたはずの妖魔王が怨念と化して復活。
戦いに負けた女王は行方不明になり、妖魔王が異界を統べるようになる。

それと同時に「血華病(けっかびょう)」という女性の体に赤い花が生え、意識不明になる疫病が蔓延、絶滅の危機に瀕していた。
異界人は種の存続のため、「花嫁」と称して現実世界の女性をさらっていた。

侵攻に気づいた人類は、さらわれる女性を特定し保護、とある女学院に隔離していた。
また、神獣の魂を宿した者たちを集め、守護者として異界人から女性を守っていた。

守護者


ヤマト
神獣「黄龍」の魂を宿している。
強力な雷を操ることができる。
気まぐれな性格で、つかみどころがない。

ホムラ
神獣「赤龍」の魂を宿しており、燃え盛る炎を操ることができる。
生意気な少年だが、メンタルが弱く、あまり無視されたりすると泣き出す。

モノ
神獣「白龍」の魂を宿しており、強力な防御結界が張れる。
代々、異界と現実世界の間に結界を張っていたが、妖魔王によって破壊され、その後、血華病にかかり意識不明の状態で発見される。

ユウ
神獣「件」の魂を宿しており、未来予知ができる。
さらわれる女性が特定できるのは彼の能力のおかげ。
いつもニコニコしていて胡散臭いところがある。

犬神様
女学院のマスコットになっている神獣。
食いしん坊でよく食べる。

クルル
「宝石獣」という神獣。
宝石を自在に作ることができるが、しばらくすると土にかえってしまう。
その能力を利用しようとした人間に追われていたところを、ヤマトに拾われる。

シズク
神獣「青龍」の魂を宿している。
守護者兼女学院の教師。
水を操り、治癒の力を持つ。
心優しい性格だが、怒ると怖い。
酒豪。

女学院


ヨダカ
レーヌが夜鯨を喰らったことによりできた子供。
大きな力を感じ恐れたソルシエルが秘密裏に捨てた。
トトコが見つけ育てる。
静かで寡黙な性格の少女。

ネネ
ヨダカとは幼馴染。
人見知りなヨダカが、唯一心を開いている存在。
明るく面倒見がいい性格。
神獣が宿り、言葉を話す妖刀「蘇芳(すおう)」を所持している。

トトコ
女学院の理事長で術師。
ヨダカの保護者でもある。
冷たい性格だが、陰ながらヨダカの身を案じている。

ユラベル
トトコが使役する式神。
氷を操る。
常に眠たげにしている。

ゲン
術師兼教師。
けだるそうでめんどくさがりな性格の中年男性。
タバコの煙で幻覚を見せる。

異界


ウォーカー
自分の見た目の可愛さを武器に女性を誘惑し異界に連れ込む。
他人を下に見ている。
戦闘能力はあまりない。

ミカゲ
神獣「黒龍」の魂を宿している。
不吉な黒龍に生まれたがために、周りから恐れられ、異界に捨てられる。

妖魔王
1200年前に空から降ってきた名もなき神の心臓から生まれた存在。
異界に封印された後、暗く荒れ果てた世界に消えていったが、力を蓄えて怨念と化して蘇った。

その他


グレン
術師協会に所属している、ホムラの兄。
もともと彼が赤龍の力を受け継ぐはずだったが、赤龍に認めてもらえず、一族から爪弾きにされていた。
しかし、ホムラと許嫁のモノだけはそばから離れなかった。
モノを意識不明にした異界人が憎く、モノを救うためなら手段を選ばない。

ナグニ
グレンが使役する式神。
火の玉を操る。
従順で真面目な性格。

レーヌ
異界の元女王。
異界を妖魔王から取り戻そうとしている。
反抗する力を得るために夜鯨の血肉を喰らった。

ソルシエル
レーヌの侍女の一人で姉妹の契りを交わしている。
「魔女」と呼ばれ恐れられていたが、レーヌの妹になってからは、孤独ではなくなった。
よく怪我をするザンを手当したりする。

ザン
レーヌの侍女の一人で姉妹の契りを交わしている。
クールな性格の戦闘狂。

夜鯨(ヨルクジラ)
夜になるとどこかに現れる幻の神獣。
レーヌに喰われてしまう。